個人事業の帳簿について

個人事業においては、所得税の申請を個人事業主本人がしなくてはならないのは、個人事業主の確定申告で述べたとおりなのですが、ここでは個人事業を運営するための帳簿についてお話をいたします。個人事業における帳簿は、大きく分けて「青色申告による帳簿」と「青色申告によらない帳簿」のふたつで異なります。

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<青色申告による個人事業の帳簿>

個人事業の所得税の申告を青色申告にて行う場合には、

1.正規簿記による方法

2.簡易簿記による方法

3.現金主義簡易簿記による方法

の三つの方法に分けられます。ひとつづつ詳しく見ていきます。

1.正規簿記による方法

日々の取引内容を継続して記録する記帳の方法です。資産や負債などに分類した取引内容を「借方」と「貸方」に分けて記帳していきます。このスタイルは、貸借対照表と損益計算書と同じものであることから、申告時にこれらの会計書類がを容易に作成できるという利点があります。

2.簡易簿記による方法

簡易簿記による方法とは、「正規簿記に比べ簡易な方法」の記帳方法ということです。標準簡易帳簿とよばれる「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」の5冊に記帳をすることで、売上、仕入、経費の流れを記録します。損益計算書についてはこれら5冊の帳簿で作成することができます。(ただし、貸借対照表の作成に関してはそのほかに、預金残高・借入金を調査する必要があります。)

3.現金主義簡易簿記による方法

正規簿記による方法と簡易簿記による方法は、取引が発生した時点をベースに記帳しているのに比べ、現金が動いた日をベースに記帳をするのが現金主義簡易記帳による方法です。つまり現金の収入・支出が発生した時点で帳簿に記帳をします。

ただし、現金主義簡易簿記による方法で記帳をするには、以下の要件を満たすことが必要です。

・その年の前々年分の不動産所得・事業所得の金額の合計額が300万円以下である

・「現金主義による所得計算の特例の適用を受けることの届出書」を、適用を受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合は、開業した

日から2ヶ月以内)に提出すること

<青色申告によらない個人事業の帳簿>

将来的には青色申告を考えている場合や、または法人成りを考えている場合であれば、<青色申告による個人事業の帳簿>で紹介した方法での記帳をお勧めします。しかし、色々な形態があるのが個人事業です。例えば、会社に勤務する一方で副業的に個人事業を行っていて、所得金額が極めて少ない場合などは、簿記のルールに則った記帳をしても所得との割りに合わないことも考えられます。

そのような場合に限り、かえって以下のような簡易な方法による記帳のほうが適しているケースもあります。

・現金管理をきちんと把握しておく

最低限「日付、支払先、支払金額、受取先、受取金額、残高」の項目別に現金の管理をします。自分で作成したノートや、パソコンのエクセルの表にお金の動きを記入するだけでもかまいません。感覚的に言えば家計簿に近い方法ですが、規模の小さな個人事業の場合であれば、この方法だけでも、確定申告をすることは充分可能です。